ツンデレ王子とメンヘラ姫のペット契約

大学

ひなこは一限を入れたことをひどく後悔していた。

誰も取ってないので、知り合いが周りにおらず暇であり、最悪なことに、おじいちゃん先生の眠たい声を永遠に聞かないといけないという地獄である。いっそ履修停止したいと思ったが、その期間はすでに過ぎており、打つ手なしである。行かずに、落単させるのもいいが、成績にFがつくのはさすがに親に怒られるのでやはり受ける他ない。

「美織」「講義暇すぎて死にそう」とLINEを送ると、「こっちもおばに喧嘩を売られて、トイレにこもってる」と返信が来たので、思わずひなこは笑ってしまった。

美織は高校を卒業し、専門学校に行った後、すぐ建築会社の経理に就職した。しかし、田舎であったので、周りは年老いた人しかおらず、若くて目立つ美織は、おばの標的の的である。しかも、その会社は家族経営で社長はほとんどおらず、女と遊んでいるらしい。美織は、年々傾いているから、早く辞めてやると言っているが、そうそううまくいかないみたいである。

ひなこはそんなことを考えながら、小日向さんにまたLINEしたいなと思いつつできない日々を過ごしていた。
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