ツンデレ王子とメンヘラ姫のペット契約

病院

ひなこは大学から帰ると、今日は小学校のバイトには行かず家に帰った。というのもなんだかフラフラするのでとても帰って寝たくなったからだった。

和真からは「お前大丈夫か?」ととても言われたが、多分ただの風邪だと思うと手を振って帰った。

家に帰ると、熱を測った。体温計には39.8と表示されており、ひなこは目を疑った。

これはまさかと思い、ネットで最近の流行り病である、コロロについて調べた。すると、自分の今の症状と変わらなかったので、肩を落とした。

これはPPR検査に行かないとと思い、急いで近くの病院に電話した。

すると、もう昼の部は終わっており、夕方の最終からしか空いてないと言われた。ひなこは少し悩んだが、もう他の病院にかける気力はないと思い、「お願いします」と言った。

電話を切ると、小学校の仲の良い先生から大丈夫かとLINEが来ていたが、とても返せる体調じゃなかったので、すぐにベットに向かい、寝たのだった。

三、四時間経ち、ひなこはむくりと起き上がると、外に出る支度をした。まだ頭は痛く、体も怠いがやることは済ませないとと、最後の気力を振り絞った。

病院につくと、外に待合所みたいな所があり、ひなこはそこで待たされた。ただでさえ気分が悪いのに、こんな外で待たされることになるとは思っておらず、ひなこは瀕死だった。

かなり時間が経ち、自分の番が来ると、すぐに検査は終わった。やっと終わったと思うと、検査結果の待ちがそれ以上に長く、ひなこはもう駄目だと何度も思った。

そして予想通り、結果は陽性だった。ひなこは「はぁ」と溜息をついた。これから夏休みで、沢山予定を入れていたのにしばらく家に缶詰めで探さないといけない。さらになによりも、小日向さんとの予定を断らないといけないのが辛くて、今にも泣いてしまいそうだった。

せっかく会えることになったのに。ひなこは隣にも人がいるのに、まるで地球にひとりぼっちで取り残された気分だった。
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