ツンデレ王子とメンヘラ姫のペット契約

ひなこが次に起きるともう朝になっていた。その日は何もなかったので、特に時間を機にする必要はなかった。

スマホを見ると、小日向さんからLINEが入っていた。「まあゆっくり休め〜」「これからジム行くんでまたね〜」ととても短いLINEが来ていた。

ひなこはもう会えないみたいなことを書き、返信も不要と書いていたのに返信が来たので、まだ望みはあるのかと安堵した。

しかし、なんかの歌に「最後の言葉はまたねだったけど、またねはもうないんだよ」という歌詞があった事を思い出し、気を落としたのだった。

ただ、くよくよしてても仕方ないので、「さすが独身貴族極めてますね」「永山はラーメン食べて来ます」と送った。

ここまでにしていたら、どんなに良かったことかとひなこは今になって思う。

ひなこはその後、一緒に飲んでいた時話していた、花火の事を持ち出した。「行きませんか?」と誘うと「行かない」と言われた。

ひなこはなんでと思い、「何ですか?」と聞くと、「人多い」と返信が来た。

ひなこはそれでも納得できず、続けて送ると、小日向さんは「しつこい」と来た。

ひなこはその返信にビビり、「怒らないで下さい」と送ると、「さっきまたと言ってたのに、早速LINE送ってこないで」と冷たいLINEが返ってきた。

ひなこは最早打つ手なしと「ごめんなさい」と送ると他なかった。

それからしばらく小日向さんとはLINEしなかった。
< 61 / 104 >

この作品をシェア

pagetop