ツンデレ王子とメンヘラ姫のペット契約

会社

小日向は会社に戻るとみんなにびっくりされた。それは小日向がかなりびしょびしょだったからである。

みんな珍しいものを見るかのようにジロジロと見るので、小日向は恥ずかしかった。

小日向が部屋に戻ると、早速宇賀山がやってきて「ひなこちゃんだろ？」と勘の鋭いことを言ってきた。そしてウザいことに「ちゅーはしたか、ちゅーは」たキス顔をして近づいて来たので「やめろよ」と突き飛ばした。

宇賀山は「ひどぉーい」とオカマみたいな声を上げていたが、「まぁお前が自分の心に素直になって良かったよ」と言った。

小日向は「何のことだか」と両手を上げたが、たしかに悪い気はしないなと思った。

宇賀山は「まあ心と言えば、こころだが、あっちが今度は怖いなぁ」と肩をポンと叩くので、そちらに関しては何のことだと思った。

こころはそんな二人の様子をパソコンに向き合いながら横目で見ていた。あんなに険しい顔しかしなかった小日向さんがあんな晴れやかな顔をするなんて絶対おかしいと思い、やはり、ひなこと何かあったなとこころは唇を噛むのであった。