ツンデレ王子とメンヘラ姫のペット契約

バーベキュー

四人はフォレストアドベンチャーが終わると、近くのバーベキュー場施設でバーベキューをした。

元々する予定ではなかったが、佳音がしたいと言い出したので、急遽することになった。

ここまでは佳音と青葉先生は何事もなく楽しく過ごしていた。しかし、ひなこはこれ以上長くいると、危ういんじゃないかと思っていた矢先だった。

「それはお前が勘違いしてるんだって」と青葉先生が大きい声を上げた。

仲良く喋っていたひなこと和真は驚いて後ろを振り返ると、さっきまで仲良く肉を焼いていた二人が険悪なムードになっていた。

ひなこはやっぱりかと思い、「二人ともちょっと落ち着いて？」と言うと、青葉先生は「そうだよ、こんなところでそんな話持ち出さなくてもいいじゃないか」と佳音に言った。

佳音は、「また逃げるんですか？この人女の人とまた遊んでるんですよ」とひなこと和真に訴えかけた。

ひなこはそんなことを言われてもと思ったが、「とりあえず一旦落ち着こう。肉も冷めるしさ？」と作り笑いで言った。

一方、和真は終始、静観しており、なんなら肉に一人でかぶりついていた。ひなこはこいつめと思ったが、和真はそういう奴だったなとも思った。

すると佳音が和真の方に近寄り、「もういいです。私青葉先生と別れて、和真さんと付き合います」と言い出したのだった。

和真は目を丸くし、肉を喉に詰まらせ、苦しそうにゴホゴホと咳をした。ひなこが慌てて水を渡すと、それを一気に飲み干して、事なきを得た。

青葉先生は「俺思ってたんだよ。今日そいつと仲良いなって。お前も一緒じゃないか、勝手にしろよ」と言った。

その後はひなこと和真は口を挟める雰囲気でもなく、なんとも重々しいムードのまま、バーベキューを終えた。

和真はなにやら変なことに巻き込まれたぞと心配になったのだった。
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