こっちおいで


「わたしに……できること、ありますか」

「とにかく外に出ないことだ」



それじゃあタイムリミットを待つだけじゃないか。



「家にいてもガラスを割られたら終わりですよね。外にいるよりは安全ってだけで」

「……それは」



わかってる。

こんな状況でも逃げ出さずに職務をまっとうしてる立派な警官を責めても仕方ないってことは。



「あの……向こうに、7才くらいの男の子がいました」

「本当か?」

「はい。わたしは自転車ですし、家もすぐ近くなので一人で大丈夫です」

「だが……」

「行ってあげてください」

「わかった。くれぐれも気をつけて」

「はい」

< 17 / 60 >

この作品をシェア

pagetop