こっちおいで
警官をまき、家とは別の方向へ自転車を走らせる。
こっちにはコンビニがあるから。
本当に売り物はすべてなくなっているのだろうか。
そういえば、さっきから
車とすれちがっていない。
一台も走っていないなんて異様だ。
やっぱりみんな家の中にいるんだ。
「……ひどい」
たどり着いたコンビニの中は
嵐が去ったあとみたいだった。
食料品や日用品の売り場は、既に空っぽ。
バックヤードにあったであろう在庫もゼロ。
タバコもお酒も……ない。