こっちおいで


「……世界から人が消えちゃったみたい」



ここまで誰もいないと、建物の中に避難していると頭でわかってはいても、そんな錯覚をしてしまう。



ふと、家の前に、人影を見つける。



まさか、ゼロくん?



ううん


ちがう……あれは……



「君は本当に悪い子だね」



――――あの警官



「ダメじゃないか。きちんと自宅待機していないと」

「……すみません」

「もう日も暮れてしまった」

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