こっちおいで


「いまに、少女の変死体なんざ、珍しくなくなるだろう。親の留守中にゾンビに襲われたなんて、運が悪かったなあと――そんな風に済まされる日が」

「あんたこそ怪物だ!」

「まずはその減らず口をどうにかしてやろう」

「っ……んんっ……!」



男の大きな手で鼻と口をふさがれる。



「泣け」



いやだ。



こんなヤツの前で泣きたくない。



警官を睨みつける。



「死にたいのか」



苦しい。



苦しいよ――……



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