こっちおいで




わたしのことは、いいから。



だから、ここから、今すぐ逃げて。



「かわいそうに。錯乱している。よほど怪物に遭遇するのが怖いんだろう」



「逃げて、ゼロくん!」

「落ち着きなさい。心配しなくても、2人とも、私が家まで無事に送り届けよう」

「"たすけて"」

「ん?」

「ののの声が、した」

「それは……この子がゾンビを怖がって口走ったんだ」

「おまえ、のの、傷つけた」


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