こっちおいで


ゼロくん、怒ってる……?


わたしのために。


でも、無理だよ。


あなたじゃ、この男に勝てない。



逃げて。



「勘違いだよ。私は警官だ。町の人を傷つけるわけがないだろう? しかし……上玉だな……きみ」



まずい。

警官が、ゼロを気に入ったようだ。



このままじゃ、わたしたち

2人とも襲われてしまう……!



「あとで君も可愛がってあげよう」

「やめて!」

「黙りなさい」



今日会ったばかりの

名前しか知らない人



だけど



「その子には……ヒドイこと、しないで」



不自由に生きてきて


やっと解放されたんだよね?


なのに


手に入れたのが

こんなにも残酷な未来だなんて


あってほしくないよ――……



「のの」

「……ゼロくん?」

「ぼくは、のののトモダチだ」

< 52 / 60 >

この作品をシェア

pagetop