君が好きなだけ。

3


Boy said





塾で隣の席になることが多かった。



隣の席って、いろいろその人のことが見えて、



黒板真剣に見ながらノートまとめてるのとか、たまにわかんないのかすんごい眉間に皺寄せてるとか、はたまたわかった時のパッと弾ける笑顔とか、、



ただ講義受けてるだけのはずなのに、すごい惹かれた。






この子のこと、もっと知りたいと思った。





とは言っても、チキンだった俺はすぐに絡みに行くことはできなくて。




席が隣になる度に、ちょっとずつ話していって、




知り合ったのは4月だったのに、LINEを聞けたのは5月で。




だんだんと増えていく彼女のことに嬉しくなった。




甘党で、特にタルトが好き。好きな色は白。好きな季節は春。嫌いなものは昆虫類とホラーと雷と雨。スポーツは苦手。得意科目は国語。読書が好き。




俺に告白する決心が付いたのは、6月に入ってから。丁度梅雨が始まった時。




雨が嫌いな彩海に、雨の日に告白するのは……って渋って、ついに晴れた6月21日。




俺は、寝てる彩海を見つけて伝えたんだ。




徐々に顔も耳も赤くなるのはかわいくて面白くて、「私も好き」って言ってくれた直後に抱きしめた。




「やっと言えた〜!」



あの日の高揚感は絶大で。



腕の中で泣きながら喜んでくれた彩海を、絶対幸せにしたいって思ったんだ。


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