君が好きなだけ。
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Boy said
塾で隣の席になることが多かった。
隣の席って、いろいろその人のことが見えて、
黒板真剣に見ながらノートまとめてるのとか、たまにわかんないのかすんごい眉間に皺寄せてるとか、はたまたわかった時のパッと弾ける笑顔とか、、
ただ講義受けてるだけのはずなのに、すごい惹かれた。
この子のこと、もっと知りたいと思った。
とは言っても、チキンだった俺はすぐに絡みに行くことはできなくて。
席が隣になる度に、ちょっとずつ話していって、
知り合ったのは4月だったのに、LINEを聞けたのは5月で。
だんだんと増えていく彼女のことに嬉しくなった。
甘党で、特にタルトが好き。好きな色は白。好きな季節は春。嫌いなものは昆虫類とホラーと雷と雨。スポーツは苦手。得意科目は国語。読書が好き。
俺に告白する決心が付いたのは、6月に入ってから。丁度梅雨が始まった時。
雨が嫌いな彩海に、雨の日に告白するのは……って渋って、ついに晴れた6月21日。
俺は、寝てる彩海を見つけて伝えたんだ。
徐々に顔も耳も赤くなるのはかわいくて面白くて、「私も好き」って言ってくれた直後に抱きしめた。
「やっと言えた〜!」
あの日の高揚感は絶大で。
腕の中で泣きながら喜んでくれた彩海を、絶対幸せにしたいって思ったんだ。