3年後離婚するはずが、敏腕ドクターの切愛には抗えない
「ふふふ、本当にふたりは仲が良いのね。ののちゃんは昔から可愛かったのよ、理人君」

「そうでしょうね」

 サラッと言ったけれど、絶対そんなことを思っていませんよね? 理人さん。
 それからも何度か阻止しようとした私の努力も虚しく、食後に祖母はたくさんのアルバムを持ってきた。

「生後間もない写真からいきましょうか」

「そうですね」

 祖母に渡されたアルバムを捲る理人さんの隣で、私も変な写真が入っていないか覗き込む。だけどどの写真も上手に撮られたものばかりで、綺麗に生理されていた。

「あ、これがののちゃんの亡くなった両親よ。……ふたりとも本当にののちゃんを大切にしていてね。この写真からも伝わってくるでしょ?」

 三人で写る写真を見ると、両親が私を見つめる目は優しくて、ふたりとも笑顔だった。

「ののちゃんのお父さんなんて、生まれてすぐにお嫁に出したくないなんて言い出したのよ? あの時は本当に笑っちゃったわ」

 昔を懐かしむ祖母に、私まで目がうるっとなってしまう。

 幼稚園から小学校、中学校の入学式までは三人で写っていたのに、途中で私と祖母の写真に変わった。
< 104 / 255 >

この作品をシェア

pagetop