3年後離婚するはずが、敏腕ドクターの切愛には抗えない
「介護申請をしてついこの間、認定が下りたの。ケアマネジャーさんにも相談して、何カ所か見学に行ってきたの。だけど、どこがいいか決めかねていて……」

 そう言いながら祖母は数冊のパンフレットを封筒から出した。

 まさか祖母が施設に入ることを考えていたなんて……。昨日今日決めたことじゃないよね? いつから考え始めたんだろう。
 呆然とする私に代わり、理人さんがパンフレットに目を通していく。

「おばあ様がどんな暮らしをしたいかが重要だと思います」

「ケアマネジャーさんにも同じことを言われたわ。今のところ、自分のことは自分でできるし、施設に入ってもなるべくお世話になりたくないと思っているの」

「それでは、サービス付き高齢者向け住宅はいかがですか? 二十四時間スタッフが駐在していますし、必要に応じてデイサービスや訪問介護を利用することもできるそうです」

 理人さんはある施設のパンフレットを開いた。

「施設のレクリエーションや外出イベントにも自由に参加できるようです」

「あら、ここいいわね。それにしても驚いたわ。理人君、詳しいのね」

 それじゃ私も思った。どこでそんな知識を得たのだろうか。

「祖父もおばあ様と同じく独居なので、利用できるサービスはないか色々と調べたんです」

「そうだったの」
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