3年後離婚するはずが、敏腕ドクターの切愛には抗えない
「悪かった、まさか野々花が絶叫アトラクション苦手とは思わなくて」

 申し訳なさそうに話す彼に慌てて答えた。

「謝らないでください。言わなかった私が悪いんですから。それ大人になった今なら意外と平気かもしれないと思ったんです。結果は苦手なものは苦手なままでしたが、それが照明できて乗った甲斐がありました」

 どうにか気にしてほしくなくて言葉を並べるものの、なかなか理人さんの表情は晴れない。

「まだ気分悪いか?」

「いいえ、だいぶ良くなってきました」

 炭酸飲料を飲んだらすっきりした。

「それならよかった。もう少し休んだら、野々花が乗りたいものに乗ろう」

「え? そんないいですよ」

 だって私が乗れるものといえば、子供が乗るようなものだ。それに理人さんを付き合わせるわけにはいかない。

「私のことは気にせず、理人さんが乗りたいものに乗ってきてください。好きなんですよね? 絶叫アトラクション」

 こういう機会でもなければ、多忙な理人さんが遊園地に来ることは難しいはず。
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