3年後離婚するはずが、敏腕ドクターの切愛には抗えない
「はい、それくらいなら乗れます。もうだいぶ落ち着いたので行きましょうか」

 残りの飲み物を飲み干して立ち上がったものの、理人さんは座ったままジッと私の様子を窺う。

「無理してないよな?」

「していませんよ」

 そう答えると納得してくれたようで、彼もまた立ち上がった。

「乗れないと思ったら、遠慮なく言ってくれ」

「わかりました」

 手を差し出されて一瞬戸惑ったものの、彼の手を取る。すると理人さんはギュッと握りしめた。

「行こう」

「はい」

 今度は走ることなく私を気遣ってくれながら歩いてくれている。それが嬉しくて気恥ずかしくて、顔がニヤけそうになるのをこらえるのが大変だった。


「あの、理人さん。写真を撮ってもいいですか?」

「別にかまわないけど、撮るならふたりで撮ったほうがいいんじゃないか?」

「いいえ、これは理人さんだけがいいんです!」

 困惑する彼にスマホを向けて、何枚も写真を撮る。

 最初に乗ったのはメリーゴーランド。他の客が乗っている間に白馬に跨る彼をカメラに収めた。
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