3年後離婚するはずが、敏腕ドクターの切愛には抗えない
『契約結婚条件を破ってもいいですか?』
まだ夜も明けていない午前四時過ぎ。私は必要最低限の荷物だけをバッグに詰めて家を出た。【ごめんなさい、しばらく実家に帰ります。ひとりで考えたいので連絡はしないでください】という置き手紙を残して――。
「まだ六時、か」
家を出たものの、朝方に祖母宅を訪ねるわけにはいかず二十四時間営業しているファミレスで過ごしていた。
今日は金曜日。仕事が終わったら実家に戻ってしばらく泊まらせてもらうつもりでいる。
昨夜のことを考えると、何度目かわからないため息が零れてしまう。
あれほど後悔しないように理人さんに気持ちを伝えようと決めていたのに、なぜ素直になれなかったんだろう。
ご馳走を作って彼を喜ばせて、そして告白するつもりだったのに、おいしいって言って喜ぶ理人さんを見たら、胸がいっぱいになってしまった。
それと同時にこの笑顔を見られるのも、あと何回あるんだろう。私のご飯を食べてくれるのも残りわずかかもしれないと思いが、素直に口をついて出てしまい、その一言から話はこじれて理人さんを怒らせてしまった。
「まだ六時、か」
家を出たものの、朝方に祖母宅を訪ねるわけにはいかず二十四時間営業しているファミレスで過ごしていた。
今日は金曜日。仕事が終わったら実家に戻ってしばらく泊まらせてもらうつもりでいる。
昨夜のことを考えると、何度目かわからないため息が零れてしまう。
あれほど後悔しないように理人さんに気持ちを伝えようと決めていたのに、なぜ素直になれなかったんだろう。
ご馳走を作って彼を喜ばせて、そして告白するつもりだったのに、おいしいって言って喜ぶ理人さんを見たら、胸がいっぱいになってしまった。
それと同時にこの笑顔を見られるのも、あと何回あるんだろう。私のご飯を食べてくれるのも残りわずかかもしれないと思いが、素直に口をついて出てしまい、その一言から話はこじれて理人さんを怒らせてしまった。