３年後離婚するはずが、敏腕ドクターの切愛には抗えない

「私とおじいさんもたくさん喧嘩したわ。だからずっと一緒にいられたのよ。本音でぶつかり合わないと、その人との関係は繋がっていかないの。それは夫婦に限らず、友達でもそうね」

　そうだよね、みんな他の人の心が読めないのだから、言葉にして伝えないとその人との関係はなにも始まらない。前には進めないんだ。

　だから昨夜、鈴木君は私に気持ちを伝えてくれたんじゃないだろうか。私だって理人さんとこれからもずっと一緒にいたいから告白したいと思った。それは鈴木君だって同じはず。

　それなのに私はちゃんと鈴木君に返事をすることができなかった。
　たとえ気持ちに応えることができないとしても、今の私の気持ちをちゃんと言葉にして伝えるべきだったのに……。

「それと何十年も夫婦でいるためには、なにがあっても理人君のことを信じないとだめよ。たとえ世界中の人が理人君のことを信じてくれなくても、野々花だけは信じてあげないと。おばあちゃんはそれで初めて夫婦になれると思うわ」

　祖母の言葉が胸の奥深くに突き刺さる。

　もし理人さんに鈴木君との距離のことで注意をされた時、素直に聞き入れていたらなにか変わっていたのかな？