3年後離婚するはずが、敏腕ドクターの切愛には抗えない
 契約結婚した相手が鈴木君だったとしても、理人さんのように好きになるかと聞かれたらその自信がない。
 だって鈴木君とは最初からずっと友達だったから、この先も友達以上の関係になることはないと思う。

 理人さんも鈴木君も、優しくて私の力になってくれるのに、好きなのは理人さんだ。この先、どんなに素敵な人が現れたとしても、夫婦としてともに生きていきたいと思うのは理人さんだけ。

「ありがとう、おばあちゃん」

「よくわからないけど、どういたしまして」

 そうだよ、どんなに鈴木君を傷つけていたとしたって私は彼の気持ちに応えることができない。だったらちゃんと伝えないと。そうでないと私も鈴木君も前に進めないから。

 鈴木君に明日、告白の返事をしてそして私も自分の気持ちを理人さんに伝えるんだ。

「さぁ、朝ごはんにしましょうか」

「うん」

 祖母と仲良く朝食をとった後は、久しぶりにふたりでゆっくりとした時間を過ごした。
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