3年後離婚するはずが、敏腕ドクターの切愛には抗えない
 次の日。出勤する私を祖母は玄関で見送ってくれた。

「はい、ののちゃんお弁当」

「ありがとう」

 久しぶりの祖母の手作り弁当に頬が緩む。

「またいつでも遊びに来てね。できれば理人君とふたりで」

「うん、わかった」

 今度は本物の夫婦になった理人さんと遊びに来られたらいいな。

「じゃあいってきます」

「気をつけてね」

 何度も振り返って手を振り続ける祖母に応える。

 昨夜のうちに鈴木君には今日の仕事終わり、ふたりで会いたいとメッセージを送り、わかったと彼からの返事ももらっている。

 鈴木君のことを傷つけてしまうかもしれないけれど、曖昧なままではこれからも彼との関係を続けていくことはできない。それにつらいのは断る私じゃない。だからちゃんと伝えるんだ。

 ひとり気合いを入れて出勤し、仕事にあたった。


 仕事が終わり、私が向かった先は病院から少し離れた場所にあるカフェ。まだ鈴木君の姿はなく、一通り見て回ったところ病院関係者もいなかった。

 カフェオレを注文して席で待つこと十五分遅れて鈴木君がやって来た。
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