３年後離婚するはずが、敏腕ドクターの切愛には抗えない

　たしかに奈津希の言う通りかもしれない。最初は私では理人さんに不釣り合いだし、理人さんと渡部さんが想い合っているから反対されたと思ったけれど、理人さんの話を思い出すと、そうじゃない気がするし……。

　もしかして理人さんが以前にご両親との仲があまり良くないって言っていた理由は、渡部さんのことが原因なのだろうか。

「今どき政略結婚なんて古いし、親を味方にして好き勝手する相手になんか負けちゃだめだからね！」

「いや、まださっきの看護師の話が本当とは限らないじゃない」

「そうだとしてもだよ！　好きな人には幸せになれる人と一緒になってほしいし、できるならその相手は自分がいいでしょ？」

　顔を近づけて聞かれた質問に、私は深く頷いた。

「そう、その意気よ野々花！　よし、鈴木君にオペの日を聞こう。その日までに告白の予行練習をしなくちゃね」

　奈津希は鈴木君にメッセージを送ったようで、彼もまたすぐに気づいて返事をくれた。

「あ、今詳しい検査の結果待ち中で、その結果によってだけど患者の容態が思わしくないから、明後日に予定されているって」

「そっか。聞いてくれてありがとう」