３年後離婚するはずが、敏腕ドクターの切愛には抗えない
　明後日以降に連絡をしよう。まずは勝手に家を出たことを謝って、理人さんとの約束を破って私たちの関係を話してしまったことも謝り、そして鈴木君の子とも伝えるべきだよね。

　それから自分の気持ちを伝えて、渡部さんとの関係も聞きたい。
　そう思うと奈津希に聞いてもらってよかったかも。なにからどう話すべきか整理する時間が必要だ。

「無事にオペが成功するといいね」

「うん」

　きっと疲れて帰って来るだろうから、明後日は理人さんが好きなものをたくさん作って待っていよう。そのためにも明日から仕込みしておいたほうがいいよね。明日も明後日も仕事だし。

　頭の中で予定を立てていると、急に奈津希が笑いだした。

「え？　なに？」

「ごめんごめん、野々花があまりに幸せそうな顔をしているから、高清水先生のことを考えているんだろうなーって思ってさ」

　嘘、私ってばそんなに顔に出ていた？　無自覚だったと思うと恥ずかしい。

「野々花は本当に高清水先生のことが好きなんだね。ちょっぴり羨ましいよ、考えるだけで顔に出るほど好きな人がいるなんて」

「奈津希……」

　彼女は白い歯を覗かせて、私の背中を叩いた。
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