3年後離婚するはずが、敏腕ドクターの切愛には抗えない
「だけど奢ってもらう理由がないじゃないですか。……それにここには元カレと決別するために来たんです」
「どういうことだ?」
エレベーター前で足を止めて呼び出しボタンを押すと、理人さんは理由を聞いてきた。
「実はこのホテルで結婚式を挙げるのが夢だったんです。だけど叶わぬ夢になってしまったので、彼からもらった慰謝料で自分をめいっぱい着飾って、一番高いコース料理を食べてきれいさっぱり彼のことは忘れようと思って」
理人さんから聞いてきたというのに、説明したら彼は目を瞬かせる。だけどすぐに表情は崩れ、「フフッ」と笑みを零した。
「なるほど、そういう事情があるなら奢るわけにはいかないな。バーに着いたらお金を受け取るよ」
「はい、ぜひそうしてください」
わかってくれて安堵したところで到着したエレベーターに乗り、彼が階数ボタンを押すと扉は閉まって降りていく。
「しかし長年交際して結婚まで考えた相手だったんだ、正直、つらくないのか?」
「それは……どう、なんでしょう」
当事者なのに自分の気持ちがよくわからない。
「どういうことだ?」
エレベーター前で足を止めて呼び出しボタンを押すと、理人さんは理由を聞いてきた。
「実はこのホテルで結婚式を挙げるのが夢だったんです。だけど叶わぬ夢になってしまったので、彼からもらった慰謝料で自分をめいっぱい着飾って、一番高いコース料理を食べてきれいさっぱり彼のことは忘れようと思って」
理人さんから聞いてきたというのに、説明したら彼は目を瞬かせる。だけどすぐに表情は崩れ、「フフッ」と笑みを零した。
「なるほど、そういう事情があるなら奢るわけにはいかないな。バーに着いたらお金を受け取るよ」
「はい、ぜひそうしてください」
わかってくれて安堵したところで到着したエレベーターに乗り、彼が階数ボタンを押すと扉は閉まって降りていく。
「しかし長年交際して結婚まで考えた相手だったんだ、正直、つらくないのか?」
「それは……どう、なんでしょう」
当事者なのに自分の気持ちがよくわからない。