3年後離婚するはずが、敏腕ドクターの切愛には抗えない
「だからもうつらくないので、大丈夫です」
表情が曇ったままの理人さんに精いっぱいの笑顔で言うと、「それならいい」と納得してくれて胸を撫で下ろす。
エレベーターを降りて玄関へと向かう中、繋いだままの手を彼はさらに強く握った。
「たとえ契約だとしても婚姻関係がある限り、俺は絶対に浮気はしないから安心してくれ」
「えっ?」
思わず足を止めると、理人さんもまた足を止めて私と視線を合わせるように屈んだ。
「野々花を悲しませたり苦しませたりすることはしないと誓うよ」
「理人さん……」
しばらく恋愛はこりごりだって思っていたのに、不意に優しくされると嫌でも胸がときめく。いや、きっとそれは私だけではない。こんな風に優しい言葉をかけられたら、誰だってドキドキしてしまうはず。
「そのためにも契約内容を詰めよう。おすすめのバーはすぐ近くなんだ。野々花も気に入るといいんだけど」
『野々花』と呼んで歩を進める彼に、私の胸は高鳴ったまま。チラッと隣を歩く理人さんの横顔を盗み見る。
こんなにもドキドキしていることに、深い意味などないよね。ただ優しい言葉をかけてもらえたから嬉しかっただけ。
そう自分に言い聞かせて向かった先の彼オススメのバーで、私たちは三年間の結婚生活に関する契約書を作成したのだった。
表情が曇ったままの理人さんに精いっぱいの笑顔で言うと、「それならいい」と納得してくれて胸を撫で下ろす。
エレベーターを降りて玄関へと向かう中、繋いだままの手を彼はさらに強く握った。
「たとえ契約だとしても婚姻関係がある限り、俺は絶対に浮気はしないから安心してくれ」
「えっ?」
思わず足を止めると、理人さんもまた足を止めて私と視線を合わせるように屈んだ。
「野々花を悲しませたり苦しませたりすることはしないと誓うよ」
「理人さん……」
しばらく恋愛はこりごりだって思っていたのに、不意に優しくされると嫌でも胸がときめく。いや、きっとそれは私だけではない。こんな風に優しい言葉をかけられたら、誰だってドキドキしてしまうはず。
「そのためにも契約内容を詰めよう。おすすめのバーはすぐ近くなんだ。野々花も気に入るといいんだけど」
『野々花』と呼んで歩を進める彼に、私の胸は高鳴ったまま。チラッと隣を歩く理人さんの横顔を盗み見る。
こんなにもドキドキしていることに、深い意味などないよね。ただ優しい言葉をかけてもらえたから嬉しかっただけ。
そう自分に言い聞かせて向かった先の彼オススメのバーで、私たちは三年間の結婚生活に関する契約書を作成したのだった。