3年後離婚するはずが、敏腕ドクターの切愛には抗えない
「とにかく今はゆっくり休んでくれ。……詳しいことは元気になったら話すから」

 ううん、理人さんに聞きたいこと、言いたいことがたくさんあるの。でも瞼が重くてたまらない。

「……はい、約束ですよ?」

「あぁ、約束だ」

 彼に優しく頭を撫でられる感触に眠気が増し、私は再び眠りに落ちた。


 それから私は丸一日眠り続け、目を覚ました時には麻酔が切れた状態でひどい痛みに襲われた。
 痛みも治まり、集中治療室から一般病棟に移れたのは手術から三日後だった。

「野々花ー! 本当によかったよぉー! 事故に遭ったって聞いた時は心臓が止まると思ったんだからね!」

 泣きながら病室に駆け込んできた奈津希は、私を見てさらに泣き出した。

「二岡泣きすぎ。泉が困ってるだろ?」

「だって~」

 奈津希に病室のソファに座るよう促し、鈴木君は私を見て安堵した。

「無事でよかったよ。……二岡じゃないけど手術室で泉が緊急搬送されたと聞いた時は、俺も頭が真っ白になった」

「ごめんね、ふたりとも。心配かけちゃって」

 一般病棟に移れるまでは面会もできなかったから、余計に心配をかけてしまったよね。

「執刀したのは高清水先生だから、術後の経過もいいと思う」

「え、理人さんが手術してくれたの?」

「あぁ、そうだよ。絶対に泉を助けるんだってすごい気迫だったらしい」

 そうだったんだ、理人さんが私を助けてくれたんだね。
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