3年後離婚するはずが、敏腕ドクターの切愛には抗えない
 私が仕事を続けていた理由は、理人さんとは離婚する前提だったからだった。離婚後は病院を辞めたとしても、新たな勤め先がすぐ見つかるようにキャリアを積んでおきたかった。

 でも理人さんとこれからもずっと一緒に生きていくと決めたなら、仕事を続ける意味はない。それよりも家庭に入って大変な仕事をしている理人さんを支えたいと思った。
 理人さんも私の気持ちを尊重してくれた。

 私は順調に回復していき、いよいよリハビリが始まったものの、これがまたすごくつらくて大変だった。

 そんな私を見て理人さんは仕事の合間を縫ってリハビリに付き合ってくれて、支えてくれた。理人さんだけじゃない、奈津希も鈴木君も祖母も励まし続けてくれた。

 ちなみに奈津希と鈴木君に理人さんと本物の夫婦になれたと伝えた時は、泣きながら喜んでくれた。
 そして一番私の入院生活を支えてくれたのは、お義母さんだった。

 入院してから少し経った頃、私の病室にお義父さんとお義母さんが訪ねてきた。そこでふたりに渡部さんのこと、これまでの振る舞いを謝罪されたのだ。

 お義母さんには「大切なことに気づかせてくれてありがとう」とも言われた。
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