3年後離婚するはずが、敏腕ドクターの切愛には抗えない
「理人が本気で結婚したいと思える相手と出会えて本当によかった。これで心残りはないと思ったが、人間は欲張りな生き物じゃ。今度は曾孫を抱くまでは死ねなくなったな」
そう言って笑う祖父とは違い、私と理人さんは顔を見合わせて苦笑いしてしまう。
「もちろん急かしているわけではないからな? ふたりだけの新婚生活も大切じゃ。しかしいずれは子供も授かる日がくるだろう。その時は私に一番に報告するんだぞ?」
「あ、あぁ。わかったよ」
どう考えても、すっごく曾孫を期待されているよね? いや、でも当然のことだよね。祖母も口には出さなかったけれど、きっと私と理人さんに赤ちゃんができることを楽しみにしているはず。
そう思うとますます胸はチクチクと痛むばかりだった。
「さっきは悪かったな、じいちゃんが余計なことを言って。野々花は気にすることないから」
祖父の自宅を後にして、彼の実家に向かう車内で理人さんは申し訳なさそうに謝ってきた。
「いいえ、おじいさまの願いはもっともです。きっとおばあちゃんも同じだと思いますし……」
言葉が続かずにいると、理人さんは小さなため息をひとつ零した。
そう言って笑う祖父とは違い、私と理人さんは顔を見合わせて苦笑いしてしまう。
「もちろん急かしているわけではないからな? ふたりだけの新婚生活も大切じゃ。しかしいずれは子供も授かる日がくるだろう。その時は私に一番に報告するんだぞ?」
「あ、あぁ。わかったよ」
どう考えても、すっごく曾孫を期待されているよね? いや、でも当然のことだよね。祖母も口には出さなかったけれど、きっと私と理人さんに赤ちゃんができることを楽しみにしているはず。
そう思うとますます胸はチクチクと痛むばかりだった。
「さっきは悪かったな、じいちゃんが余計なことを言って。野々花は気にすることないから」
祖父の自宅を後にして、彼の実家に向かう車内で理人さんは申し訳なさそうに謝ってきた。
「いいえ、おじいさまの願いはもっともです。きっとおばあちゃんも同じだと思いますし……」
言葉が続かずにいると、理人さんは小さなため息をひとつ零した。