３年後離婚するはずが、敏腕ドクターの切愛には抗えない
　厚焼き玉子やみそ汁の味に満足しつつも、ひとりで食べていると味気ないし寂しい。元々ひとり暮らしだったけど、部屋が変わるとこうも感じ方にも変化があるとは……。

　食事を終え、食器の片づけを済ませてから乾燥機にかけておいた洗濯物を取り出す。

　今まで洗濯物は部屋干ししていたけれど、最新の洗濯乾燥機を買ってもらったおかげで、回せば畳むだけと楽になった。
　もちろん洗濯も別々。そういえば理人さんがこの洗濯乾燥機を使っているところを見たことがない。

　洗濯物はどうしているんだろう。たしか病院にもランドリー室はあるから、そこで済ましているのかな？
　いや、洗濯だけじゃない。食事はどうしているんだろう。昼はたまに食堂で会うけれど、朝と夜は？　仮眠室で寝ているだろうけど、ちゃんと眠れているのかな？

　理人さんのことを考えていたらいつの間にか手が止まっていることに気づく。

「やだ、なにやってるの？　私。お互いの生活には干渉しないって約束なんだから」

　そう頭ではわかってはいるけれど、私だけこんないい暮らしをさせてもらっているから、なんか妙に気になってしまうというか……。これではウインウインの関係ではない気がしてならない。

　とはいえ、私には心配する資格がない以上、なにもできない現状に余計にモヤモヤしていた。
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