3年後離婚するはずが、敏腕ドクターの切愛には抗えない
 彼に続いて手を合わせたものの、反応が気になって食べるどころじゃない。理人さんがうどんを啜り、スープを飲み終えるのを待つ。

 どうかな? 口に合うといいんだけど。

「ん、うまい」

「……本当ですか?」

「本当」

 それを聞いて頬が緩んでしまい、慌てて私もうどんを啜った。

「薄味で俺好み。野々花が多めに作ってくれて、それにタイミングよく帰ってこられてよかったよ」

 そう話す理人さんの顔をまじまじと見ると、目の下にはうっすらと隈が見える。それに心なしか少し痩せた気がする。
 結婚式後はとくに忙しかったからかもしれないけれど、きっと理人さんはこれまでも同じような生活を送っていたんだよね。

「このうどんは、理人さんのために作ったんです」

 箸を持つ手を止めて私を見る理人さんは、目を瞬かせた。

「今日、外科の看護師さんに理人さんの食生活が心配だって言われました。それと働きすぎだとも」

「そう、だったのか。……悪かったな、余計な気遣いをさせてしまって」

 違う、謝ってほしいんじゃない。
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