３年後離婚するはずが、敏腕ドクターの切愛には抗えない

　きっぱり断言してご飯を食べ進める奈津希も、結婚したら変わるかもしれないと思うんだけどな。

　きっと今の奈津希にはなにを言っても否定されちゃいそうだから、これ以上は言わないでおこう。手を合わせてお弁当を食べ始めた時、「お疲れ」と言って鈴木君が私の隣に座った。

「お疲れ様。鈴木君も休憩に入れたんだね」

「あぁ、俺はね」

今日の鈴木君のお昼ご飯は、病院内にあるコンビニで買ったサンドイッチと珈琲だけのようだ。それを見た奈津希が心配そうに口を開いた。

「え、鈴木君それだけで足りるの？」

「うん、足りる。それに食べ終わったら午後のオペの勉強もしたいんだ」

ここ最近、鈴木君はオペに助手として入ることが増えてきたようで、休憩時間も惜しんで勉強をしている。

「えらいねぇ、鈴木君は。なに？　やっぱり外科医を目指すの？」

「うーん……どうだろう。でも今のところは外科医になりたいって気持ちが大きいかな。学ぶことが多くて遣り甲斐もあるしな」