3年後離婚するはずが、敏腕ドクターの切愛には抗えない
 そう思うと離婚を機に転職も考えたほうがいいかもしれない。慰謝料はくれるって言っていたし、思い切って辞めてしばらくの間は祖母との時間を楽しむのも手かも。

「私も早く彼氏見つけなくちゃ。野々花も私に素敵な相手が見つかるように祈ってて」

「うん、頑張れ」

 奈津希は明るくて話しやすい子だし、きっと近いうちに素敵な出会いがあるんじゃないかな。

「ありがとう! じゃあさっそく今度合コン行ってみようかな。実は先輩に声をかけられているんだ。あ、もちろん野々花は誘わないから安心してね」

「いい報告が聞けるのを楽しみにしているよ」

 私がそう言うとやる気がみなぎったのか、奈津希は「頑張ってくる」と気合十分に言って残りのご飯を食べ進めていく。
 そんな彼女にクスリと笑ってしまいながら私もお弁当に箸を伸ばした。

 就職してから誰とも付き合ったことがないようだし、本当に奈津希にいい出会いがあるといいな。

それからふたりで他愛ない話をしながら昼食を済ませ、午後の勤務に就いた。
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