3年後離婚するはずが、敏腕ドクターの切愛には抗えない
『私は元気よ。今日も町内会のみんなと公民館で映画鑑賞会をしてきたの』
楽しそうに話す祖母の声に、自然と頬が緩む。
「そうなんだ、楽しかった?」
『えぇ、みんなで大笑いしちゃったわ』
どうやら見たのはコメディ映画のようだ。その後も他愛ない話で盛り上がる。
『落ち着いたらいつでも帰ってきていいからね。理人君も大歓迎よ』
「うん、ありがとう。近いうちに帰るね」
これまでは最低でも月に一度は祖母の様子を見に家に帰っていた。それは結婚後も続けていかないと。
祖母はひとりでも平気だと言い張るけれど、今年で八十三歳になる。歳を重ねるごとに心配も尽きない。
『楽しみにしているわ。その時は連絡をちょうだいね』
「わかったよ。またね」
通話が切れた画面を見ると、通話時間はたったの十分だった。前は平気で一時間は電話で話していたのに。きっと祖母は気遣ってくれたのだろう。今度の休みにでも帰って祖母の様子を見てこよう。
「あ、ご飯……!」
あと五分で十九時になってしまう。急いでキッチンに入って調理に取りかかる。今日はあまりに時間がないし、簡単に親子丼にしよう。
冷蔵庫から材料を取り出したところで、玄関のドアが開く音がした。
楽しそうに話す祖母の声に、自然と頬が緩む。
「そうなんだ、楽しかった?」
『えぇ、みんなで大笑いしちゃったわ』
どうやら見たのはコメディ映画のようだ。その後も他愛ない話で盛り上がる。
『落ち着いたらいつでも帰ってきていいからね。理人君も大歓迎よ』
「うん、ありがとう。近いうちに帰るね」
これまでは最低でも月に一度は祖母の様子を見に家に帰っていた。それは結婚後も続けていかないと。
祖母はひとりでも平気だと言い張るけれど、今年で八十三歳になる。歳を重ねるごとに心配も尽きない。
『楽しみにしているわ。その時は連絡をちょうだいね』
「わかったよ。またね」
通話が切れた画面を見ると、通話時間はたったの十分だった。前は平気で一時間は電話で話していたのに。きっと祖母は気遣ってくれたのだろう。今度の休みにでも帰って祖母の様子を見てこよう。
「あ、ご飯……!」
あと五分で十九時になってしまう。急いでキッチンに入って調理に取りかかる。今日はあまりに時間がないし、簡単に親子丼にしよう。
冷蔵庫から材料を取り出したところで、玄関のドアが開く音がした。