3年後離婚するはずが、敏腕ドクターの切愛には抗えない
「はい、実は今日おばあちゃんから電話があって、理人さんとふたりで遊びに来てほしいと言われたんです。なので一緒に来てくれると嬉しいです」

「もちろん行くさ。でもそっか、そうだよな。結婚したからこそ、定期的に顔を見せにいくべきだ。野々花、俺のじいちゃんにも一緒に会いに行ってくれないか?」

「はい、ぜひ!」

 そうだよね、祖母も理人さんの祖父もきっと私たちふたりで遊びに行ったら、絶対に喜んでくれるはず。

「ありがとう。明日、出勤したら週末に休めるよう調整できるかみんなに相談してみるよ」

「わかりました。お願いします」

 さっそく明日、祖母に今度理人さんと行くことを伝えよう。その時の祖母の反応を想像しながら残りのあんみつを頬張る。

「それにしても野々花は欲がないな。なんでも好きな物を買っていいって言われたら、ブランド品とか買いたいって思うものじゃないのか?」

「人それぞれじゃないでしょうか? 私はブランド品には興味がありませんから。それに自分で働いて稼いだお金でないと、買っても大切にできない気がするんです。やっぱり自分で買ってこそ愛着が湧くものじゃないですか?」

 思ったことを言ったものの、理人さんは意外そうに目を見開いた。
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