ねこはちさん〜魔法を手にしたネコ〜
「ネコにだってきっとあると思う。『絆』は、きっとあるよ」
ねこはちさんは、少しだけきょとんとして。
それから笑顔になって、
「……だと嬉しいな」
と、言った。
「オレはいつかきょうだい達と、小町さんに会いに行くんだ。そしてみんなで一緒に暮らす事が夢なんだ。だから……」
ねこはちさんはまた、空を仰いだ。
「だから、お祈りしていたんだ。人の言葉を話せるようになったら、きょうだい達の居場所も聞きやすいしな。ネコ同士だけじゃなく、人にも尋ねることが出来る。夢のために、ずっとお祈りしていたんだぜ」
私は笑顔で、
「叶うといいね、ねこはちさんの夢」
と、言った。
そうしたら、ねこはちさんもニッコリ笑った。
「寅山、やっと笑ったな。おめぇさん、笑ったほうがずっといいぜ」
「!」
自然と。
照れ笑いみたいな。
くすぐったい笑顔になる。
ねこはちさんの笑顔に、つられちゃうんだ。