ねこはちさん〜魔法を手にしたネコ〜
翌日。
小学校。
五年二組の教室。
鳥井先生が手を叩いて、
「はーい、席に着いて!朝の会を始めます!」
と、大きな声を出した。
「先生からみなさんにお知らせがあります!」
その言葉に。
ざわついていた教室内が、しんっと静まり返った。
「猫野八助くんが、少しの間学校に来られなくなりました」
(えっ?)
ねこはちさん?
昨日はそんなこと、ひと言も……。
「病気ですか?それとも、大怪我したんですか?」
カオルちゃんが手をあげて発言した。
先生は首を振って、
「そのどっちでもないそうです。だから、安心してください。先生もよくわからないけれど、旅に出たんだそうです」
と、眉毛をハの字にした。
旅?
(……あっ……)
そういえば。
ねこはちさん、言ってた。
『オレはいつかきょうだい達と、小町さんに会いに行くんだ。そしてみんなで一緒に暮らす事が夢なんだ』
もしかして。
ねこはちさんは、きょうだい達を探す旅に出たの?
(小町さんは、知っているのかな?)