ねこはちさん〜魔法を手にしたネコ〜

第九話


2週間が経った。



小学校。

昼休みの、五年二組の教室。



「みんなでサッカーしようぜ!」



アキラくんのひと声でみんなが、
「やるやるー!」
と、集まる。



言う。

言うぞ。



「……っ」



誘われなくても。

自分から声をかけるんだっ!



「あ、あのっ!!」



思ったより大きな声が出た。

クラスのみんなが、きょとんとした目で私を見ている。



(ひぃーっ、注目されてるー)



逃げ出したくなる。

でも。

ねこはちさんが頑張ってるんだ。

私だって。



(勇気を出したいっ)



「あのっ、わた、私も、一緒にサッカーやりたい!」



しんっと静まる教室。

恥ずかしくて。

目がウルウルしてくる。



アキラくんが私に近づいて、
「なんだー、寅山も一緒に遊びたかったんだなー!」
と、ニカッと笑う。



「えっ……?」

「寅山はオレ達と遊びたいとか、思っていないのかと思ってたー。ひとりが好きなのかなって」

「ううん、違うよ」



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