ねこはちさん〜魔法を手にしたネコ〜
第三話
数日が経った。
教室の人気者になったねこはちさんは。
休み時間になると。
みんなと運動場で、ドッチボールをしたり。
サッカーをしていたり。
……とにかく、楽しそう。
放課後になって。
「ねこはちさん、今日、オレんちにゲームしに来ない?」
クラスでもわんぱくで目立つ、アキラくんがねこはちさんの肩に手を置く。
「えー、ねこはちさん!今日は私の家に来てよ!仔犬が来たんだよ、見に来るでしょう!?」
と、美人のカオルちゃんも、ねこはちさんの手を握る。
それをこっそり見ていた私は。
ねこはちさんを羨ましく思う気持ちを隠すように。
ランドセルを背負って、教室から出ようとした。
その時。
ねこはちさんが、言ったんだ。
「ふたりとも、悪ぃな。オレは寅山と約束してンだ」
その言葉に。
教室中が、しんっと静まり返った。
(えっ!?私!?)