『絶対言わないでください!』保健室で起きたヒミツ♡の話
「センセー、この前はありがと」



私がアクションを起こす前に
天ヶ崎くんが学校に来た



なんだ
よかった



元気そうだし



「大丈夫だった?
ずっと学校来てなかったよね?
昨日、天ヶ崎くんのこと心配してね
ボクシング部の子が…」



「あんな顔で学校来れるわけないじゃん」



「やっぱり結構腫れた?
病院とか行った?」



「行ってない」



「あとでなんかあると悪いから
一応病院行った方がよかったかもね」



「なんか…って?
そーいえば、目の奥痛いかも…」



「え!嘘?
どこ?」



天ヶ崎くんの目を見た



傷はまだ少し残ってるけど
内出血とかもしてないし…



「傷、まだちょっと痛そうだね…」



そっと触れた



「イ…」



「ごめん…痛いよね…
んー…見たところ大丈夫そうだけど…」



「口の中も痛いかも…
センセー、みてよ…」



「口も…?んー…」



唇の横の傷が
まだ少し生々しい



「ちゃんとご飯食べれた?
んー…中は傷もないけどね…
でも1度病院で診てもらう?」



目が合った

真っ直ぐ私を見る力強い目



ん?

天ヶ崎くん

近いよ




天ヶ崎くんに

めちゃくちゃ接近してるじゃん



バッ…



慌てて離れた



「天ヶ崎くん、病院行こう!」



「大丈夫だって…
大袈裟じゃね?」



「だって目の奥痛いんでしょ
もしなんかあったら…」



「嘘…
ぜんぜん平気
センセーに心配してほしかっただけ…」



「…へ?嘘?ホントに?
大丈夫なの?」



「うん、なんともない」



「もぉ…よかったー
ドキドキさせないでよ」



って、私

なんでドキドキしてる?



天ヶ崎くんに何かあったらいけないって
心配したから?



「フ…オレもドキドキした」



「ん?どーした?」



「センセーが、ドキドキさせたんじゃん」



「え?
ヤダ、ごめん
この前ちゃんと病院行くべきだったよね
ずっと心配だったよね」



「病院は行かないけど
またここに来てもいい?」



「来ても私はお医者さんじゃないから…」



「オレの恋愛相談聞いてくれるんでしょ
この前、センセー言ってたじゃん」



「あー、そーだ
この前言ったもんね」



今日はウザがらないんだ



「じゃ、また来る
ありがと、センセー」



今日は素直でかわいい



「お大事にねー!」
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