『絶対言わないでください!』保健室で起きたヒミツ♡の話
天ヶ崎くんの最近の出欠を確認した

あの日から1週間休んでる



もともと休みがちな生徒でもなかったよね?

んー…



私が余計なこと言ったかな?



ん?

1年生の時
結構休んでたんだ



んー…

アレ?

この子



背が伸びて雰囲気変わったから
ピンとこなかった


1年生の時
1度だけ保健室来たことある


「学校来たくない」って
ここに来た


そーだ

あの子だ


私もまだ新人で
「同じ1年生だね」って話した


「センセーは学校来るの嫌じゃない?」


「うん、嫌じゃないよ
ここに来たくて先生になったから」


「どぉしたら来たくなるかな?」


あの時の彼は
背もそんな高くなくて
女の子みたいに細くて


1年間で男の子って
あんなに変わるんだ


どぉしたら学校に来たくなるか…


「好きな人とか作ったら?
そしたらその人に会いたくなって
毎日学校来るのが楽しみになるかも!
あと部活とかしてみたら?
先生も高校時代は部活頑張ってたよ
マネージャーだけどね」


「センセーは何部だったの?」


「ボクシング部だよ
この学校のボクシング部は
厳しいけどやりがいあると思う!
3年間続けたら
きっと何か得るものはあるよ」


そんな話をした


「センセーの好きな人も
ボクシング部だったの?」


「うん、ボクシング部だった」


「へー…センセー強い人が好きなんだ」


ぜんぜん強くなかった

新採用でこの学校に来たばかりの
城田先生


たまたま引き継いだボクシング部の副顧問

「ボクシングとかぜんぜんわかんないし
人が殴られたりするの苦手」

そんなことを言ってた


先生も私と同じ1年生だった

私に弱音を吐く先生

ぜんぜん強くなかったよ


励まし合いながら3年間頑張った

得るものはあったと思う


そっか…

天ヶ崎くん
ボクシング部入ったんだ
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