砂時計。
君と過ごした日々をふと思い出す。
勇気を出した4月。
GW、一緒にキャンプした5月。
部活帰り一つの傘に二人で入って帰路についた6月。
七夕まつりに、おそろいの柄の浴衣で行った7月。
伊豆の海で二人だけの旅行を楽しんだ8月。
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急に別れを告げられた9月。
君の愛情は大きく膨れた水風船だったのだろうか、それとも砂時計だったのだろうか。
それでもなくて、、わざと突き放したのか、、今となってはもう聞くことも出来ない。
君はつい数ヶ月前まで、僕にあの満開の花のような笑顔を見せてくれていたのに。
「なんでだよ…」
静かな部屋に、声が響く。
「○○さん、そろそろ…」
ナースさんの声に、僕は頷く。
僕はもう十分すぎるくらい君から愛をもらったから。
これからも、僕は君を愛し続ける。例え君に届かなくても。
『約束だよ?』
そう聞こえた気がした。
僕は彼女の動かない指に、自分の指をそっと絡めた。