S系外交官は元許嫁を甘くじっくり娶り落とす
「花詠は親父さんの大事な植木鉢壊して泣きそうになってたよな」
「エツこそ、あそこの池に落ちそうになってたよね」
お互いの印象的な出来事を思い出してからかい、顔を見合わせてぷっと噴き出した。
実家とひぐれ屋を離れるのは寂しいけれど、清々しい気分でもある。ここはいつ帰ってきてもいい場所で、大切な人たちが私を待っていてくれるから。
穏やかな気持ちでお茶を飲もうとするも、いつの間にか空になっていた。「あれ、もうない」と呟いて急須を取ろうとした瞬間、エツの手が頬に伸びてきて彼のほうへ顔を向けられる。
唇が近づいてきてキスを受け入れると、温かい液体が口に流れ込んでくる。驚いて目を開け、ごくりとそれを飲み込んだ。
ひゃあぁ、口移し!と声を上げたくなるも、いたずらっぽく口角を上げる彼はさらに深いキスを仕掛けてきて、私の身も心も溶かそうとしてくる。
そのうち彼の手は浴衣の襟から中へ滑り、ナイトブラの隙間から膨らみを優しく弄る。甘い痺れが駆け巡り、体温がみるみる上昇していく。