S系外交官は元許嫁を甘くじっくり娶り落とす
この仕事は休みがないとよく言われるが、あながち間違いではない。繁忙期は週に一回休みが取れればいいほうだし、朝から晩まで働く日もある。
今はまだ母が女将としてバリバリ働いているので業務を分担できるけれど、いつか自分がすべてこなさなければならないと思うと少々気が滅入ってしまう。
今回の旅行も、閑散期に合わせて旅館が小規模の修繕工事を行うというので、何年ぶりかにまとまった連休が取れたから実行できたこと。思い切って海外旅行をしようと決断してよかったと、美しい景色を見ながらつくづく思った。
少し早めの昼食は、川沿いにあるカフェに入ってこの地方名物のタルトフランベをいただいた。薄焼きのピザのような感じで、チーズとベーコン、マッシュルームの風味が濃厚でとても美味しい。
フランス語は話せないけれど、この辺りでは英語が通じる。短大時代に少し勉強したくらいの拙い英語だが、ジェスチャーも加えれば意外となんとかなっている。
とりあえず食べ物にありつけてほっとしながら、帰りの飛行機の時間までのタイムスケジュールを組み直すことにした。