幸せのつかみ方
もう無理かも
樹さんと連絡が取れないまま、休みが終わり、月曜日を迎えた。
休みが明けたら樹さんに会いに行こうと決めていた。
連絡先を消去した私に残されたのは直接経営管理部に行くことか、内線で連絡することだったからだ。
内線を使うとまず樹さんは出ないし、電話に出た他の経営管理課の方に繋いでもらう必要がある。
樹さんと直接話す必要のある人は直接樹さんの院内用のスマホに連絡を入れる。
その番号を知っている人は極限られた人たちだ。
そこで私は勤務時間が終わって時間をおいてから経営管理部に行くことにした。
私はそれまでいつも通りに業務をこなしていくのだった。
12時の少し前、受付に綺麗な女性が来た。
「足立と申しますが、経営管理課の朝蔵さんをお願いします」
「おかけになってお待ちください」
会計業務をしていた私の位置から受付と彼女との会話ははっきりと聞こえた。
あ・・・。
ソファに座る彼女の顔に見覚えがあった。
以前、樹さんと一緒にレストランにやって来た女性だった。
しばらくして樹さんがロビーにやって来た。
樹さんは受付に声を掛け、足立と名乗る女性に近寄った。
樹さんが歩きながらこちらに目を向けた。
樹さんを見つめる私と目があった。
樹さんは足を止め、小さく微笑むと会釈して再び歩き始めた。
足立さんは立ち上がり、樹さんと笑って会話を始める。
二人で並んで話しながら自動ドアを出て行く。
ちく。
私は胸を押さえた。
「痛い・・・」
今からでも間に合うと思っていた。
樹さんが私のことを好きでいてくれると甘えていた。
なんて図々しい考えなんだろう。
もう遅いのかもしれない。
並んで歩く二人は傍から見てもお似合いだった。
でも・・・・。
遅くてもいい。
私のこの気持ちを樹さんへ伝えたい。
もしかしたら、コテンパンにフラれてしまうかもしれない。
そうだとしても、このまま何も言わないで終わらせたくない。
もうずっと忘れていたこの恋心にちゃんと区切りをつけたい。
休みが明けたら樹さんに会いに行こうと決めていた。
連絡先を消去した私に残されたのは直接経営管理部に行くことか、内線で連絡することだったからだ。
内線を使うとまず樹さんは出ないし、電話に出た他の経営管理課の方に繋いでもらう必要がある。
樹さんと直接話す必要のある人は直接樹さんの院内用のスマホに連絡を入れる。
その番号を知っている人は極限られた人たちだ。
そこで私は勤務時間が終わって時間をおいてから経営管理部に行くことにした。
私はそれまでいつも通りに業務をこなしていくのだった。
12時の少し前、受付に綺麗な女性が来た。
「足立と申しますが、経営管理課の朝蔵さんをお願いします」
「おかけになってお待ちください」
会計業務をしていた私の位置から受付と彼女との会話ははっきりと聞こえた。
あ・・・。
ソファに座る彼女の顔に見覚えがあった。
以前、樹さんと一緒にレストランにやって来た女性だった。
しばらくして樹さんがロビーにやって来た。
樹さんは受付に声を掛け、足立と名乗る女性に近寄った。
樹さんが歩きながらこちらに目を向けた。
樹さんを見つめる私と目があった。
樹さんは足を止め、小さく微笑むと会釈して再び歩き始めた。
足立さんは立ち上がり、樹さんと笑って会話を始める。
二人で並んで話しながら自動ドアを出て行く。
ちく。
私は胸を押さえた。
「痛い・・・」
今からでも間に合うと思っていた。
樹さんが私のことを好きでいてくれると甘えていた。
なんて図々しい考えなんだろう。
もう遅いのかもしれない。
並んで歩く二人は傍から見てもお似合いだった。
でも・・・・。
遅くてもいい。
私のこの気持ちを樹さんへ伝えたい。
もしかしたら、コテンパンにフラれてしまうかもしれない。
そうだとしても、このまま何も言わないで終わらせたくない。
もうずっと忘れていたこの恋心にちゃんと区切りをつけたい。