幸せのつかみ方
現在 <凍った心にリハビリを>
恋のリハビリ?
翌日、土曜日。
大学時代からの友人である紗良と景子と岩盤浴にやってきた。
2か月ぶりに会う二人とスパの入館受付を済まして脱衣所に向かった。
「先に温泉に浸かってから岩盤浴に行こうよ」
と紗良に言われ三人でざっと体を洗った後、露天風呂に浸かる。
紗良は3人の子どもを持つお母さんで、平日は事務の仕事をしている。
景子はバリバリの営業の課長職についている。結婚こそしていないが、お付き合いしている人と長いこと同棲している。
「相変わらず、いい体してるけど、何かしてるの?」
大浴場と併設した露天風呂に浸かりながら、景子は紗良の凹凸のある色っぽい体つきを眺めて言った。
「そんなことないよ」
「そんなことあるよ」
謙遜する紗良の言葉を否定し、それより秘訣は何かと二人で問い詰める。
3人も子供を産んでいるのに、ウェストなんて学生時代と変わってないのではないかと思うそのプロポーション。
何もしていないわけがない。
「うーん。腹筋とか筋トレはしてるよ。あと、ちっちゃいスリッパはいてる」
「よし、帰りにちっちゃいスリッパ買って帰ろう」
と、右手に拳を作ってダイエットを決意した。
「千夏、スリッパより裸足派じゃない。買っても履かないわよ」
「う・・・」
「それに千夏も昔とさほど変わってないじゃない」
「え?ほんと?」
「一廻りか二廻りか三廻りくらい大きくなったくらいでしょ?」
「ひどいー!」
「あはははは。冗談よ、冗談」
「昔と同じにはならないけど、疲労物質を減らすためにも、さっさと岩盤浴いこ」
「やっぱり岩盤浴ってデトックス効果あるのかな?」
「さあ、わかんないけど、あるんじゃない?」
「プラセボ効果狙いで、あると信じてそろそろ1階行かない?」
先程受付でもらった室内着に着替えた3人は、おしゃべりをしながら1つ下の階の岩盤浴へ移動した。