幸せのつかみ方
数時間後。
外はもう夕方になり始めていた。


岩盤浴して、ホットヨガをして、遅めのランチをして、マッサージしてもらって、ジャグジーに入って、露天風呂にある花の壺風呂にそれぞれが浸かっている。
女3人、この施設を満喫している。


リラックスのつもりが、汗をかきすぎて少し疲労感を覚えながらも、お風呂から上がることなく、壺風呂に浮く花びらを触っている。


私は昨夜の直幸の話と、先週の裕太との食事の話をした。


離婚を決めたときに二人には裕太の話をした。
裕太と那奈さんをレストランで見かけたと教えてくれたのは景子だった。

全てを知っている二人は裕太に怒った。

「直幸君はお父さんの不倫の話、知らないんだよね」
「うん。でも、まあ、何かしらあったんだろうなってゆうのは分かってるみたい」
「まあねえ・・・言いにくいわよね」

「のぼせた!」
紗良が急に立ちあがって、湯船から出た。

「飲みに行こう!続きはそこで話そう!」



露天風呂から見える空には一番星が浮かび、露天風呂を照らすライトがもうすぐ夜を迎えることを知らせていた。



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