幸せのつかみ方
昼休憩に入った。
私は急いで机を片付け、お弁当袋を持って屋上へ向かった。

樹さんはすでに来ていた。





「千夏さん、急にお呼び出してしまってすみません」
「いえ。大丈夫ですよ」
まあ、驚きはしたけれど。何か用だったのだろうか?

ベンチに座っていた樹さんは立ち上がって私が隣に座るように横にずれた。
私は樹さんの横に少し離れて腰かけた。

「はい、コーヒー」
「あ。ありがとうございます」
「ええ。ブラックかカフェラテ。一応、砂糖とミルクをもらってきてますが、千夏さんはどちらがいいですか?」

「では、カフェラテを」
「はい」
「ありがとうございます」

温かいカフェオレを受け取った。
「まずは食べましょうか」
と樹さんに言われ、私はお弁当箱を開けた。
昨日の残り物と常備菜を詰めた質素なお弁当箱を開ける。
樹さんはカフェでコーヒーと一緒に買ったらしきサンドウィッチを取り出した。

樹さんの用事が気になりながらも、雑談をしながら食事を食べた。


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