幸せのつかみ方
部屋に戻ると直幸がソファに座ってテレビを見ていた。
「直幸、電話、なんだったの?」
「ラインがずっと未読だったから心配になって電話しただけ」
「そか。ごめんね」
テレビでは知らない芸人さんがコントをしていた。
「あの人・・・」
「ん?」
「樹さん」
「うん」
「付き合ってるの?」
「・・・・付き合ってない」
「・・・ふうん」
「・・・・直幸、先にお風呂入っちゃいなさい」
引き出しからタオルと着替えを出す。
「なんで?」
「泊ってくでしょ?」
「帰るよ」
「もう終電ないよ?」
「・・・」
「?」
「そんな時間に来るんだね。先にお風呂もらうね」
直幸は私が出した服を持ってお風呂場に行った。
時計の針は深夜0時をとっくに過ぎていた。