幸せのつかみ方
それから2個目、3個目の肉まんを食べた。

今度は最初からカードを使って二つに分けた。
「便利~」
と嬉しそうな樹さんに笑う。

3個目はお腹がいっぱいになってきたので、私は4分の1個を食べた。

店によって味が全く違って面白い。
そしてどれもこれもおいしかった。



そして、私は気付いていた。
ずっと樹さんが私のことを気遣っていていることを。

ぶつかりそうになったり、はぐれそうになったりした時など、樹さんの手が背中や腰にそっと添えられる。
樹さんは歩きながら、隣の私を見下ろす。

樹さんを見上げると必ずと言っていい程、目が合う。

樹さんが私を気にし続けてくれている。
ありがたいが、これじゃ樹さんの方が危ないと思う。

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