変態御曹司の飼い猫はわたしです
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お互い酔っていたから、気の迷いだろうと思っていた。だが、翌朝、極上スマイルを携えた一ノ瀬さんが、ホテルの部屋にやってきたので、本気だったのだと悟った。
「迎えに来たよ。僕のタマちゃん」
「い、一ノ瀬さん? あ、あの、私、昨日はすごく酔っていて……」
今朝も女性スタッフの方々が大勢やってきて、可愛らしいお出掛け服に着替えさせられ、ヘアメイクまで施してもらった。固辞しても受け入れられず、一ノ瀬さんへの借金は跳ね上がるばかり……。
「あの、猫になるのはちょっと……辞退させていただきたいんですけど……」
「大丈夫大丈夫。怖くないよ。ほうら、おうちに帰ろう」
本当に猫をあやすかのように、そろりそろりと近づいてくる。その極上スマイルが怖いのですが?!
「ちょ、話を、聞いてくださいっ」
「一軒家だから心配いらない。タマちゃんおいで。ほらほら、チェックアウトしようね」
こうして私は、一ノ瀬さんの飼い猫になってしまったのだった。