太陽の王子様と月の御令嬢〜禁断の恋は焦ったい?〜
「ティアラ……!」

「ブラッド殿下」

「これを受け取ってくれ」

「いつも……ありがとうございます」

「……っ」


高鳴る胸を押さえた。
ティアラに会うたびに好きな気持ちが増していく。

直接花を渡すようになってから、間近で喜ぶ顔を見る事が出来て幸せを感じていた。

一度、気持ちが抑えられなくなりフラついた時の事を病気だと勘違いしたティアラが、体を軽々と抱えて屋根を伝い、城の医師のところまで飛んで行った事があった。

その時は恥ずかしくて暫く部屋の外から出れなかった。
それからはなるべくティアラの可愛さに慣れるべく頑張っている。


「行こうか」

「はい」


町娘の格好をしているティアラは今日も最高に可愛らしい。
天から舞い降りてきた天使である。
そんなティアラは、圧倒的な強さで敵を薙ぎ倒す最強の武人なのだが、そのギャップが堪らないのだ。
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